第36回萬古陶磁器コンペ2022の入賞・入選作品をご紹介いたします。
今回の応募総数は106点、入賞を含む入選数は84点です。入賞入選作品は2022年5月14日(土)・15日(日)、21日(土)・22日(日)の10:00~17:00に、ばんこの里会館3階多目的ホールに展示いたします。
募集テーマ:ときめくどうぶつの器
審査員
内田 鋼一 陶芸家(審査員長)
長井 千春 愛知県立芸術大学 教授
数馬 桂子 ばんこの里会館館長
総評
「ときめくどうぶつの器」というテーマのもと、「ときめく」「ときめいた」作品たちを選出した。審査員は選ぶ上で作者の思いが感じ取れる作品にやはり票が集まりました。「ときめく」という点で、受賞者より技術的にも作品の完成度も高いのだが惜しくも受賞を逃した作品も多々あったのが、今展の特徴だろう。【内田鋼一】
入賞作品
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<グランプリ・U40特別賞>
「Tea Time Set PEN’s Flower Shop」 井上 菜々子
とにかく「ときめく」という点で、他を圧倒した作品であった。 技術的には多少、未熟な部分も見られたが、ユニークさと、独自の世界観が存分に発揮され、作者の思いが今回のテーマと上手く融合できていた作品であった。 加えて、今回初めての「U40特別賞」をダブル受賞したのは、審査員の今後の期待度の高さを表していると思う。 【内田鋼一】
<優秀賞>
箱状の陶器…ふたはどこにと、つい探しました。描かれた正面の猫たち11匹、まじめな表情、大好きな猫草を見つめるまなざしから、猫たちのときめきを思いやります。いくつものシーンが展開します。 【数馬桂子】
<優秀賞>
「ジョロウグモ と もみじ」 Chetchotisak Komvit
一枚の大皿に広がる自然を感じることのできる作品です。使う人、見る人の視線の動きに、見えたり、消えたり、揺らぐ蜘蛛の巣は映像のよう。自然の息吹を感じる作品です。 【数馬桂子】
<優秀賞>
今回のテーマでは、技術力や完成度のみならず、作品を観て“ときめくか?”に重点を置いて審査した。 作者の作品「3-7棟」プレートは、この棟の住人達の生き生きした暮らしを想像させる、ゆかいでときめくお皿である。 ただ、普段壁に飾っている皿を時々はずしてテーブルに出すというアイデアには、多少違和感があるが…。 【長井千春】
<BANKO300th特別賞>
急須の産地「萬古焼」のコンペで備前焼の宝瓶が出品されることは珍しいと思う。しかし、一見オーソドックスな手捻りの宝瓶と湯冷ましに今回のテーマの「どうぶつ」、それもパンダが蓋の摘みや持ち手になっていたりと、思わずクスッと笑ってしまう、パンダの宝瓶群であった。 【内田鋼一】
<審査員特別賞>
作者の和紙染加飾の作品には、独自の世界観があり、絵本の1シーンのような魅力がある。ポットとしても使いやすそうで丁寧に仕上げてある。ただ、せっかくの魅力的な小鳥の絵がとても見え難い所に施されているのが残念だ。帯状の加飾の代わりにポットの中心に居てくれたらもっと良かったと思う。注ぎ口下の破れを生かした毛虫の隠れ家はおもしろいが、意図的にデザインされていた方が良い。【長井千春】
<審査員特別賞>
「古木に集まる動物の花器とランプ」 山口 清貴
今回の「ときめくどうぶつの器」というテーマにピッタリの、動物も盛り沢山ワクワクする作品であった。一見したところでは判り難いのだが、鳥達がモビールになっていたりと、「苦心の作」だということがよくわかる作品であった。【内田鋼一】
入選作品
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